「副業を始めたら開業届を出さないといけない?」
「まだ月1万円くらいしか稼いでいないけれど必要?」
「開業届を出せば青色申告ができるの?」
会社員が副業を始めると、確定申告と一緒に気になりやすいのが開業届です。
インターネット上では、
「副業を始めたらすぐ開業届を出すべき」
「少額の副業なら必要ない」
など、さまざまな情報があります。
しかし、副業をしている人全員が同じ扱いになるわけではありません。
先に結論
開業届は、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
対象となるのは、新たに、
- 事業所得
- 不動産所得
- 山林所得
を生ずべき事業を開始した人です。
つまり、
副業をした=全員が自動的に開業届の対象
というわけではありません。
さらに2026年1月1日以後に開業した場合、開業届の提出期限は、開業した年分の所得税の確定申告期限までとなっています。
この記事では、副業をしている会社員向けに、開業届が必要になる考え方や提出時期、青色申告との違いをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 副業で開業届が必要になる人
- 2026年の開業届提出期限
- 開業届と青色申告の違い
- 開業届を出す方法
- 会社員が確認したい注意点
- 開業後にやるお金の管理
- 副業の開業届とは?
- 副業を始めたら全員が開業届を出すの?
- 副業が事業所得か雑所得かで考え方が変わる
- 2026年から開業届の提出期限が変わった
- 開業届と確定申告は別の手続き
- 開業届を出せば青色申告できる?
- 青色申告承認申請書の提出期限は?
- 青色申告は誰でも選べる?
- 開業届を出すメリットは?
- 開業届を出すデメリットはある?
- 白色申告なら帳簿はいらない?
- 副業が雑所得なら開業届を出せば事業所得になる?
- 会社員でも開業届を出せる?
- 会社に開業届を出したことが通知される?
- 開業届はどこに提出する?
- 開業届に屋号は必要?
- 開業日はどう決める?
- 副業で月1万円なら開業届は必要?
- 副業で月5万円なら開業届を出した方がいい?
- AI副業でも開業届は必要?
- ブログ副業でも考え方は同じ
- 副業で開業届を検討するタイミング
- 開業したらお金を分けて管理する
- 開業届を出す前のチェックリスト
- よくある質問
- まとめ|副業の開業届は「金額だけ」で判断しない
副業の開業届とは?
一般に「開業届」と呼ばれているものは、税務署へ提出する個人事業の開業・廃業等届出書です。
新たに事業を開始したことなどを税務署へ届け出るための書類です。
開業届には、
- 氏名
- 納税地
- 職業
- 屋号
- 開業日
- 事業の概要
などを記載します。
副業を始めたら全員が開業届を出すの?
副業を始めた人全員が、一律に開業届の対象になるわけではありません。
国税庁が開業届の手続対象としているのは、新たに事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき事業を開始した人です。
そのため、会社員が少額の副収入を得たというだけで、必ず開業届の対象になるとは限りません。
副業が事業所得か雑所得かで考え方が変わる
副業で得た所得については、活動の実態などによって所得区分が異なります。
たとえば、原稿料やデザイン報酬などは、事業所得と認められるものを除き、業務に係る雑所得に該当する場合があります。
事業所得に当たるかどうかは、単純に、
- 開業届を出したか
- 副業収入がいくらあるか
だけで決まるものではありません。
活動が社会通念上、事業といえる程度で行われているかなど、実態を踏まえて判断されます。
開業届を出しただけで、副業所得が自動的に事業所得になるわけではありません。所得区分は実際の活動内容などによって判断されます。
2026年から開業届の提出期限が変わった
古い記事では、
「開業から1か月以内に提出」
と書かれていることがあります。
しかし、2026年1月1日以後に開業した場合はルールが変わっています。
2026年以後の開業では、
開業した年分の所得税の確定申告期限まで
が開業届の提出期限です。
2026年以前の情報を参考にするときは、記事の更新日にも注意しましょう。
開業届と確定申告は別の手続き
初心者が混同しやすいのが、開業届と確定申告です。
| 手続き | 目的 |
|---|---|
| 開業届 | 事業を開始したことなどを届け出る |
| 確定申告 | 年間の所得・税額を計算して申告する |
つまり、
開業届を提出したから確定申告不要
でも、
開業届を出していないから確定申告不要
でもありません。
確定申告が必要かどうかは、所得や給与状況などを別に確認する必要があります。
-
-
副業の確定申告は必要?会社員が知っておきたい20万円ルールと判断方法【2026年版】
「副業で少し稼いだけれど、確定申告は必要?」 「20万円以下なら申告しなくていいって本当?」 「20万円というのは売上?それとも利益?」 会 ...
続きを見る
開業届を出せば青色申告できる?
ここも間違えやすいポイントです。
開業届を出す
=
自動的に青色申告になる
わけではありません。
青色申告を希望する場合は、原則として所得税の青色申告承認申請書を別途提出します。
青色申告承認申請書の提出期限は?
青色申告をする場合、原則として青色申告をしようとする年の3月15日までに申請します。
その年の1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、
開業の日から2か月以内
が提出期限です。
つまり2026年は、開業届と青色申告承認申請書で提出期限が異なる点に注意しましょう。
| 書類 | 2026年以後の主な提出期限 |
|---|---|
| 開業届 | 開業した年分の所得税の確定申告期限まで |
| 青色申告承認申請書 | 原則3月15日まで。1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内 |
青色申告は誰でも選べる?
青色申告を利用できるのは、原則として、
- 事業所得
- 不動産所得
- 山林所得
がある人です。
雑所得について青色申告をする制度ではありません。
そのため、
副業をしている
↓
開業届を出す
↓
必ず青色申告できる
と単純に考えないようにしましょう。
開業届を出すメリットは?
開業届を提出すること自体に「提出すれば税金が安くなる」という直接的な効果があるわけではありません。
ただし、事業として活動していく場合は、
- 事業開始の届出を行える
- 屋号を記載できる
- 事業のお金を整理するきっかけになる
- 青色申告など必要な税務手続きを考えるきっかけになる
といった面があります。
開業届を出すデメリットはある?
「開業届を出したら急に高額な税金が発生する」というものではありません。
一方で、事業として活動するのであれば、
- 売上の記録
- 経費の記録
- 帳簿の作成・保存
- 請求書・領収書の整理
- 確定申告
など、事業者として確認すべきことが増えます。
開業届だけを出して終わりではありません。
白色申告なら帳簿はいらない?
いいえ。
事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行う人は、青色申告者でなくても記帳・帳簿等の保存制度の対象になります。
そのため、
青色申告=帳簿が必要
白色申告=帳簿不要
ではありません。
副業が小さいうちから収入・支出を整理しておきましょう。
-
-
副業の収入・経費はどう管理する?初心者向けにお金の管理方法を7ステップで解説
「副業で少し稼げるようになったけれど、お金の管理を何もしていない……」 「売上と経費をどう記録すればいいの?」 「領収書は取っておいた方がい ...
続きを見る
副業で使った支出のうち、何が必要経費になるのか迷う場合はこちらで整理しています。
-
-
副業で経費にできるもの・できないもの|会社員向け具体例をわかりやすく解説【2026年版】
「副業で買ったパソコンは経費にできる?」 「ChatGPTなどのAIツール代は?」 「自宅で副業している場合、インターネット料金も経費になる ...
続きを見る
副業が雑所得なら開業届を出せば事業所得になる?
開業届を出したことだけを理由に、雑所得が事業所得へ変わるわけではありません。
国税庁は、事業所得に該当するかどうかについて、その活動が社会通念上事業と称するに至る程度で行われているかどうかで判断するとしています。
そのため、
- 活動内容
- 継続性
- 実態
- 帳簿書類の保存状況
なども重要になります。
会社員でも開業届を出せる?
会社員であることだけを理由に、個人事業を始められないわけではありません。
ただし、勤務先によっては副業・兼業について就業規則などでルールを定めている場合があります。
副業を始める前に、勤務先の規定も確認しましょう。
-
-
副業は会社にバレる?知られる主な理由と会社員が確認したい7つのポイント【2026年版】
「副業を始めたいけれど、会社にバレるのが心配……」 「住民税から副業がわかるって本当?」 「会社に内緒で副業しても大丈夫?」 会社員が副業を ...
続きを見る
会社に開業届を出したことが通知される?
開業届は税務署へ提出する税務手続きです。
ただし、勤務先に副業が知られる可能性については、開業届だけで考えるのではなく、
- 住民税
- SNS
- 同僚との会話
- 勤務先の副業ルール
なども含めて考える必要があります。
「開業届を出さなければ会社に絶対知られない」と考えるのは避けましょう。
開業届はどこに提出する?
開業届は、納税地を所轄する税務署へ提出します。
提出方法には、
- e-Tax
- 税務署へ持参
- 郵送
などがあります。
オンラインで手続きをしたい場合は、e-Taxを利用できます。
開業届に屋号は必要?
開業届には屋号を記載する欄があります。
ただし、個人で仕事をする場合、必ず屋号を付けなければならないという意味ではありません。
ブログ名や事業名などを今後使っていきたい場合に検討しましょう。
開業日はどう決める?
開業日について迷う人も多いでしょう。
基本的には、自分が事業を開始した実態に合わせて考えます。
- 事業として仕事を始めた日
- 継続的に受注活動を始めた日
- サービス提供を始めた日
など、実際の事業開始と整合する日を確認しましょう。
単に「税金で有利そうだから」という理由だけで実態と異なる日を決めないことが大切です。
副業で月1万円なら開業届は必要?
月1万円という金額だけでは判断できません。
開業届の対象かどうかは、単純な売上額ではなく、その活動が事業所得を生ずべき事業として行われているかどうかなどによります。
副業収入の金額だけを見て、
○万円以上なら開業届
というルールがあるわけではありません。
副業で月5万円なら開業届を出した方がいい?
これも月5万円という金額だけで一律には判断できません。
ただし、毎月継続して仕事を受け、今後も事業として活動を続ける段階になれば、
- 自分の所得区分
- 開業届
- 青色申告
- 帳簿
- 確定申告
について一度整理しておくとよいでしょう。
-
-
副業で月5万円を目指すには?初心者向けおすすめ副業と現実的な始め方【2026年版】
「副業で月5万円くらい稼げたら助かる」 「初心者でも月5万円を目指せる副業はある?」 「どのくらい仕事をすれば月5万円になる?」 副業を始め ...
続きを見る
AI副業でも開業届は必要?
AIを使った副業だから特別な開業届があるわけではありません。
- AIライティング
- AI画像制作
- 資料制作
- AIを使ったコンテンツ制作
なども、実際の活動内容や所得区分をもとに考えます。
-
-
AI副業おすすめ10選|初心者でも始めやすい仕事と選び方【2026年版】
「AIを使った副業にはどんな仕事があるの?」 「ChatGPTを使えば初心者でも副業できる?」 「AI副業に興味はあるけれど、何から始めれば ...
続きを見る
ブログ副業でも考え方は同じ
ブログやアフィリエイトで継続的に収益を得る場合も、活動の実態に応じて所得区分や必要な税務手続きを確認します。
「ブログだから開業届はいらない」
「アフィリエイトなら必ず事業所得」
などと一律に判断しないようにしましょう。
-
-
ブログアフィリエイトの始め方を【初心者向け】に手順を解説!ブログならWordPress必須!無料ブログがおすすめできない理由とは?
ブログアフィリエイトの始め方(はじめ方)を初心者向けに解説します。 アフィリエイトでの稼ぎ方を探している人が多いですね。 リスクが少なく、安 ...
続きを見る
副業で開業届を検討するタイミング
開業届について確認するタイミングとしては、
- 副業を継続的に行うようになった
- 定期的な売上が発生している
- 複数のクライアントと取引している
- 今後も事業として続ける予定がある
- 青色申告を検討している
などがあります。
特に青色申告を利用したい場合は、青色申告承認申請書の提出期限があるため、後回しにしすぎないようにしましょう。
開業したらお金を分けて管理する
事業として副業を続けるなら、生活費と副業のお金を分けて管理するとわかりやすくなります。
- 副業用口座を分ける
- 収入を記録する
- 経費を記録する
- 請求書を整理する
- 領収書を保存する
などです。
-
-
副業の収入・経費はどう管理する?初心者向けにお金の管理方法を7ステップで解説
「副業で少し稼げるようになったけれど、お金の管理を何もしていない……」 「売上と経費をどう記録すればいいの?」 「領収書は取っておいた方がい ...
続きを見る
開業届を出す前のチェックリスト
確認しておきたいこと
- 自分の副業はどのような活動か
- 事業として継続する予定があるか
- 所得区分を確認したか
- 開業日はいつか
- 2026年の提出期限を確認したか
- 青色申告を利用したいか
- 青色申告承認申請書の期限を確認したか
- 収入・経費を記録する準備をしたか
- 勤務先の副業ルールを確認したか
よくある質問
副業を始めたらすぐ開業届を出さないといけませんか?
副業を始めた人全員が一律に開業届の対象になるわけではありません。
新たに事業所得等を生ずべき事業を開始した人が対象です。
2026年の開業届は1か月以内ですか?
2026年1月1日以後に開業した場合は、従来の「開業から1か月以内」ではなく、開業した年分の所得税の確定申告期限までです。
開業届を出せば青色申告になりますか?
いいえ。
青色申告を希望する場合は、所得税の青色申告承認申請書を別途提出する必要があります。
青色申告承認申請書も確定申告期限まででいい?
いいえ。
原則3月15日までで、その年の1月16日以後に新しく事業を始めた場合は開業の日から2か月以内です。
開業届を出せば副業が事業所得になりますか?
開業届の提出だけで所得区分が決まるわけではありません。
実際の活動状況などを踏まえて判断されます。
開業届を出さなければ確定申告しなくていい?
いいえ。
開業届と確定申告は別の手続きです。
所得などの条件によって確定申告が必要な場合があります。
まとめ|副業の開業届は「金額だけ」で判断しない
副業で開業届が必要か考えるときは、
副業でいくら稼いだか
だけではなく
どのような実態で事業を行っているか
を見ることが重要です。
2026年以後に新たに事業を開始した場合は、開業届の提出期限が開業した年分の所得税の確定申告期限までに変更されています。
一方、青色申告を希望する場合は、青色申告承認申請書に別の提出期限があります。
流れとしては、
副業を始める
↓
活動実態・所得区分を確認
↓
必要な届出を確認
↓
収入・経費を記帳
↓
確定申告の要否を確認
という順番で整理するとわかりやすくなります。
次に読む記事
確定申告が必要か知りたい方
-
-
副業の確定申告は必要?会社員が知っておきたい20万円ルールと判断方法【2026年版】
「副業で少し稼いだけれど、確定申告は必要?」 「20万円以下なら申告しなくていいって本当?」 「20万円というのは売上?それとも利益?」 会 ...
続きを見る
経費にできるものを確認したい方
-
-
副業で経費にできるもの・できないもの|会社員向け具体例をわかりやすく解説【2026年版】
「副業で買ったパソコンは経費にできる?」 「ChatGPTなどのAIツール代は?」 「自宅で副業している場合、インターネット料金も経費になる ...
続きを見る
収入・経費を管理したい方
-
-
副業の収入・経費はどう管理する?初心者向けにお金の管理方法を7ステップで解説
「副業で少し稼げるようになったけれど、お金の管理を何もしていない……」 「売上と経費をどう記録すればいいの?」 「領収書は取っておいた方がい ...
続きを見る
会社に副業が知られる理由が気になる方
-
-
副業は会社にバレる?知られる主な理由と会社員が確認したい7つのポイント【2026年版】
「副業を始めたいけれど、会社にバレるのが心配……」 「住民税から副業がわかるって本当?」 「会社に内緒で副業しても大丈夫?」 会社員が副業を ...
続きを見る
2026年は開業届の提出期限が変更されています。古い「開業から1か月以内」という情報をそのまま使わず、青色申告承認申請書の期限とは分けて確認しましょう。